まほろば【現代編】
ハルカはすぐに部屋を出て行ってしまい、しかもその後をホムラが追って行ったので出遅れてしまった。

まあ、まだ学校で話すこともできるだろう。

そう思っていたが……。

普段、学校ではあまり話すことはなかったが、どうにか話しかけようとするとそれを避けるようにハルカはどこかに行ってしまう。

かわりに、最近ハルカとよく一緒にいる寺島という女の子に捕まることが多かった。

妙に鼻にかかる甘ったれた声で話しかけてくるのだが、その内容はほとんど俺の耳には入ってきていなかった。

しかし、まだ出発には時間があると高をくくっていたら、気づけばそのまま一言も話をすることなく夏休みに突入した。

「リュウ君、早く!」

今日、俺は綾姉と一緒にしばらくこの土地を離れる。

後ろ髪を引かれる思いだったが、仕方がない。だったら、さっさと白虎の手がかりを見つけて早く帰ってくるのみだ。

そして、俺たちは東に向けて旅立った。
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