別れ道での約束
「6時からだったよな?一旦帰ってから行く?」


「家に帰ってる時間はないから、適当に時間を潰してから行こうと思ってる」


自宅から大学まで約50分かかるから、帰っていたら間に合わなくなってしまう。

中途半端な時間だ。


私は涼太に言ったとおり、講義終了後は近くのショピングモールでいろんなお店を見ながら2時間ほど時間を潰した。


「あれ?咲良ちゃん」


生活雑貨の店でコーヒーカップを見ていたら、私を呼ぶ声が聞こえた。


「渡部先輩!」


テニス部の副部長である渡部先輩だった。
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