別れ道での約束
もう大智も講義は終わっている時間。

バイトだとしてもまだ始まる時間ではないはず。

テニスコートの外にあるベンチに座って、携帯を握った。


意外に早く2回コールするしただけで、出た。


「もしもし、咲良?どうした?元気か?」


不思議そうに聞きながらも弾んだ声だった。

私からの電話を喜んでくれることが嬉しくて、私の声も明るくなる。


「うん、元気だよ。今話しても大丈夫?」


「ん、大丈夫だよ。どうした?」


大智と話すのは空港で別れて以来だった。


もう一年以上も聞いていない声だったけど、以前と全然変わらない声に心が穏やかになる。


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