別れ道での約束
智咲が大智を見て、「おとーさん」と呼んだのは、私たちの住む部屋にこの教会の前で撮った写真が飾ってあり、「これがお父さん」と教えていたからだ。


写真は今日まで飾っておこうと決めていた。


もし、大智がここに来なかったら、片付けるつもりだった。


「大智、夢は叶った?」


「うん、獣医の資格が取れて、来月から働くことも決まった…、って、それよりも!この子はもしかして俺の子?」


智咲は私よりも大智に似ている。


智咲はいつの間にか近くにある白いベンチに座って、絵本を開いていた。


「そうよ。大智に似てるでしょう?」

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