別れ道での約束
恥ずかしくて、顔が見れなくて俯く。


「いや、ごめんな。俺、無理に誘っちゃったよな…。怖かったよな?」


大智が私の手を握る。


恥ずかしいのに、ドキドキしていたのに、握られた手に安心して気持ちが落ち着いてきた。


「もう一度流れよう!」


ニッコリ笑う大智に私もつられて笑って、また手を繋いだまま、流れるプールに入った。


始まったばかりの夏休みがとても楽しくなる予感がした。


大智とずっと手を繋いで、同じ道を歩きたいと思った。


少し空いていた微妙な距離が近づいた気がした。


程よい大智との距離感が私は嬉しかった。



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