別れ道での約束
思ったことがそのまま口から出てしまった。


小さい声だったはずなのに、大智が気付いて私に向かって歩いてきた。


まさか聞こえた?
ドキッとしたけれど、聞こえてはいなかったみたい。


「咲良、終わった?」


「うん」


「そんじゃ、帰ろう」


「大智~?」


「ん?」


「アイス食べて帰ろうよ」


「いいね!」


私たちの変化と言えば、ほんの少しだけど、私がしたいことを言えるようになったくらい。


強引な大智に流されてしまうことが多いけど、自己主張はしようと思った。


それと少し甘えたいとも思うようになった。



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