別れ道での約束
やっと私の思いが通じた。


「咲良、付き合おう」


「うん!」


私は笑顔で返事をした。

大智の彼女になれる。
もの凄く嬉しかった。


大智が握っていた手を引っ張った。


その瞬間、私は大智の腕の中。


「大…智?」


驚きで一瞬声が出なかったけど、何とか声を出す。


「ずっとこうしたかった」


私はそっと顔を上げて、大智を見た。


「咲良、好きだよ」


「あたしも…」


大智の顔が目の前に来て、私はそっと目を閉じた。

唇に温かいものがそっと触れる。

それは大智の唇。


私たちの初めてのキスはとても優しいキスだった。





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