私の婚約者は特殊捜査官
しばらく私と理子を、

交互に見ていた隆弘は、

小さく溜息をついた。

・・・

「これからはくれぐれも気を付けるように」

「はい。申し訳ありませんでした」

深々と頭を下げた理子に、

隆弘は小さく頷くと、

ほんの少しだけ微笑んだ。

・・・

こうやって隆弘と理子を見ていると、

相思相愛なんじゃないかと思えてくる。

・・・

自分の置かれている立場は

『囚われの身』

こんな事を考えてる場合じゃないのは

百も承知してるけど、

私が二人をどうにかしてあげたいな、

なんておもってしまう・・・

ただのおせっかいなんだろうけど・・・

・・・

「琴美さん、相手の電話の人は、

秀・・・ですか?」


「あなたに関係ない事です」


「フッ、まぁいい。

送ったカードの筆跡を見れば、

誠さんも誘拐犯が誰だか、

もうわかっているでしょうから」
< 28 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop