For 10 years
俺もそれを真似て作ってみた。


だけど、蒼太と優華のほうが、断然うまい。


大の男が、ダサすぎる。



作り始めたのはいいけれど、保育園帰りにできる数はほんの少しで。


だからさっき迎えに行った時、保育園の先生にも訳を話して、俺が早番で保育園へ行ける時には、場所を貸してほしいとお願いした。


ほんとはこのアパートに二人を連れてこれればいいけど、内緒にする以上、そういうわけにはいかない。


だから、保育園の一室を借りることにしたんだ。



気が付けば、もう二人を送っていかなければならない時間だった。






ピンポーン…


玄関のドアが開けられたとたん……



「「ママー、ただいまー」」



と、二人の元気な声。


絢華ちゃんが、ホッとしたように頬をゆるませた。



「おかえり」



蒼太と優華はそのまま部屋へ入っていった。



「隼人さん、ありがとう」


「いや、じゃあまた明日な」



必要以上に話すと、もっと一緒にいたくなりそうで、すぐに帰ろうとしたら……



「うん。あっ!隼人さん、ちょっと待ってて!」



絢華ちゃんが中に入って、またすぐに戻ってきた。


そして……


今取りに行ったと思われる紙袋を手渡された。



「ん?何これ」
< 85 / 119 >

この作品をシェア

pagetop