青空バスケ―3rd―

「俺……不安なんです。
今の三年生や卒業していった先輩みたいに上手くまとめられるのかなって……。
今年はインハイに行けなかったから、先輩達の分まで来年は頑張ろうって思ってたんですけど……」


先輩達の分まで……。

……分かるよ。

その気持ちはよく分かる……。

でも……


「あのね、洋輝君」

「何ですか……?」

「確かに結果は大事だと思うよ。
結果が良ければ気持ちよく引退できると思うし。
でも……あたしはそれが全てじゃないと思う」


洋輝君は意味が分からなさそうに首を傾げた。


「目先の結果だけに気を取られて、バスケを楽しめなくなるってこと」

「楽しむ……ですか」

「しかめっ面でバスケなんかやってても面白くないでしょ?
先輩達だって、いくら結果が良くてもそんな様子じゃ素直に喜べないと思うな」


少なくともあたしは……後輩達にそんなバスケはしてほしくない。

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