青空バスケ―3rd―

……その日の帰り道のことだった。

自炊を面倒に思った俺は近所のコンビニで弁当でも買おうと思い、少し進路を変えた。


にしても……寒くなってきた。

昼はまだいいけど、夜は寒い。


コンビニが見えてきて、俺は早く暖まりたくて少し足を早めた。


……その時だった。


ちょうど向こう側から見知った人が歩いてきて……俺は思わず足を止めた。


「……栞奈」


栞奈もすぐに俺に気がつき、気まずそうに視線をそらした。

栞奈は俺の方を見ようとしないまま、早足で俺の横を通り過ぎようとした。

……俺はそんな栞奈に声をかけた。


「……飛田と会ったんだって?」

「え……?」


俺がそう言うと、栞奈は足を止めて俺の方を見た。

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