青空バスケ―3rd―

「学校に行けば高瀬先生にも会えるし、ちょうどいいじゃん!」


大地君がにっこり笑いながらそう言う。


「いや、寧ろその高瀬先生に会いづらいんだけど……」

「あれ?ケンカ中?」

「あ……まぁ……そうとも言うかな……」


ケンカ別れみたいな感じだったし……。


「大丈夫ですよ。
今度の日曜なら高瀬先生は来ない予定ですから」

「え……そうなの?」

「はい。
副顧問の先生ならいるみたいですけど」


大和、いないんだ……。

会いたい……って気持ちもあったけど、会っても多分……話せないから。


……あたしはバッグから手帳を取り出して今度の日曜を確認した。


「うん、次の日曜なら大丈夫だよ」


あたしがそう言うと、三人は笑顔を見せた。


「じゃあ、今度の日曜日の午後に体育館の方に来てください!」


洋輝君の言葉を聞きながら、あたしは手帳に書き込む。


日曜……青桜、午後……と。


「……あれ、今何時?」

「もうすぐ8時ですね」


洋輝君の言葉を聞いてあたしは驚く。


「半額セール始まっちゃう……!」


近所のスーパーでは週に一回ぐらい夜8時になると半額セールが始まる。


「ごめんね!あたし、もう行くね!」

「あ、はい!
じゃあ日曜日よろしくお願いします!」


洋輝君の声に片手を上げて返事をしながらあたしは走り出した。

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