青空バスケ―3rd―

栞奈が去った後の高校生三人組――


「どうすんだよ、洋輝。
あんなウソついちゃってさー。
日曜って普通に高瀬先生来るじゃん」

「だって、ああでも言わないと来てくれないだろ」


洋輝は栞奈が去っていった方を見ながらそう言った。


「でも、まさか本当に高瀬先生とケンカしてたなんてね。
監督の言ってたこと、大当たりだったね」


亜稀の言葉を聞いて、男二人も監督の言葉を思い出す。


「高瀬先生の元気がない時は、バスケ関係か栞奈さんとケンカした時……だっけ」

「ていうか、先生の頭の中ってそれしかなさそうだよな!」

「でも……先生も無理しすぎだよね。
あたし達の前では普通にしてるけど、明らかに元気ないよね」

「まぁ、生徒の前で落ち込んでるわけにもいかないだろうしな……」

「けど、栞奈さんってあれだよな。
チワワみたいだよな!
高瀬先生はああいう人がタイプ……と」

「大地、何メモってんだよ……」


洋輝は仲直りしたばかりの親友に呆れながらも、自分の担任の先生とその大切な人の幸せを願っていた――


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