青空バスケ―3rd―

「……先生……最近、変だったから。
表面上は普通に見えるけど、でも……俺達には分かるんです。
だから、何かあったんじゃないかと思って監督に聞いたら……」


……あたしは腕組みをしながら静かに佇んでいる監督を見た。

監督はあたしの方を見ながらゆっくり口を開いた。


「詳しいことは鳴瀬から聞いた」

「何で鳴瀬先輩が……」

「高瀬が鳴瀬に話していたらしい。
お前達のこと」

「じゃあ、みんな知ってて……」


あたしは体育館の中にいる生徒達を見回した。


「コイツらは知らない。
なぁ……岬。
お前さ……このままでいいのか?」

「……いいです。
もう……終わったことですから」


監督が小さくため息をついた。


「お前も高瀬もまだまだガキだな」


その言葉にあたしは少しムッとする。

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