青空バスケ―3rd―
「……いつまでも子供扱いしないでください」
「だってそうだろ?
意地張って、自分の気持ちにウソついて。
小学生の方が正々堂々ともっとマシなケンカをすると思うけどな」
「………………」
「好きなら好きって言えばいいだろ」
……言いたくても、言葉が出てこない。
本人を前にすると、何にも言いたいことが言えなくなる。
「……先生は……本当によく俺達のことを考えてくれます」
「洋輝君……」
「俺が怪我したって聞いた時もすぐ病院に来てくれて……」
すると、今度は大地君が口を開いた。
「洋輝が怪我して俺が落ち込んでた時も、先生は一生懸命慰めてくれたんだ。
掛かってきた電話だってすぐに切って、
俺のそばにいてくれて……」
……電話……?
電話なんていくらでも掛かってくるだろうけど……あたしはそこがどうしても気になった。