青空バスケ―3rd―

「大和だったらどうする?」

「え?」

「もし大和が蓮ちゃんの立場だったら……どうする?」


俺が蓮の立場だったら……。


「……まぁ、相手の気持ちも分からなくはないけど……」


汐谷さんが蛯原を大切に思う気持ち。

それは俺や栞奈が蓮を思う気持ちと何ら変わらないと思うから……。


「でも……俺だったら絶対手放したくないかな。
もう……二度と」


……そう言いながら、栞奈を優しく抱きしめた。


大切なものを手放したくない。

そう思うのは誰だって同じはず。

俺だって……もう二度と栞奈の手を離したくない。


……好きだから。


この気持ちはどうしようもできないから……。

< 177 / 201 >

この作品をシェア

pagetop