青空バスケ―3rd―
「……大和……」
……俺はそっと栞奈の唇にキスを落とした。
いくら頭の中で諦めようと……忘れようとしたって、簡単に消えてなくなるものじゃない。
そんなすぐに忘れられるような気持ちだったら、初めから悩んだりなんてしない。
人を好きになるという気持ち。
それは時には幸福をもたらし……時には厄介なことを引き起こす。
面倒くさいものかもしれない。
でも、それでも人は……誰かを好きになる。
「来週の日曜日……いつもの場所に集合だから」
「来週か……」
人と人が想い合うことは誰にも止めることはできない。
だから……俺達は俺達なりに精一杯、二人の幸せを祈ろう。