ブスも精一杯毎日を生きてるんです。
PM 7:00
『遅いねー、あいつー。』
「にゃーん」
『いつ帰ってくるかなー』
「にゃー…」
『借金ちゃんと返したかなー』
「にゃー」
それから一時間が経って、私と猫は意思疎通ができるようになった。
帰りが遅い主人を一日中待っていた二人は、目に見えない硬い絆で結ばれたのだ…。
…まあそんなことはさておき、
『お腹空いたよー…』
ぐうう、とお腹が空腹を訴えてくる。
「みゃー」
猫はそう答えて、歩き出した。
どこへ行くのかと、猫の姿を目で追って行くと、
そこにあったのは冷蔵庫。
猫は振り返って私に視線を送る。
どうやら、何か作れという意味らしい。
人の家で勝手に料理するのはさすがに気が引けるが、今日はまあしょうがない。
帰ってこないあいつが悪いんだ。
心の中で勝手にそう結論づけて、勢いよく冷蔵庫を開けた。
『…は?』