ブスも精一杯毎日を生きてるんです。


『…あの、応急手当ぐらい私がやりますから、とりあえず中入ってやりましょうよ。』

結構な時間箱ティッシュと格闘する男に見飽きて、ついにそう申し出てしまった。

男は不思議そうな顔をして、

「ん?あー…わかった」

と手を使わないで器用に革靴をぬいだ。

とりあえず玄関の血は後で掃除するとして、まずはこの男をリビングに連れて行こう。

この家の主が自分でなく男であることは忘れ、先立ってリビングに向かった。

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