ブスも精一杯毎日を生きてるんです。
追い込みは続く。
「俺、警部の友達がいるんですよ」
「腕のある弁護士と飲み仲間なんだけど、あいつ元気かなあ?」
「ここから一番近い警察署ってどこだっけ?」
ついに堪忍袋の尾が切れたようだった。
「…だ…まれ…」
中年の男は怒りでブルブルと震え、ポケットから何か銀色のものを出して、俺に向けて振りかぶった。
反射的に右手でそれを掴むと、右手に鋭い痛みが走る。
まずい、これナイフだ。
いってえ。
かなり痛むがそんなことはお首にも出さず、
「また罪状増えたんじゃないですか?」
まだナイフは握り続けている。