ブスも精一杯毎日を生きてるんです。

笑顔



「…ってわけ。」

『なんかいろいろ迷惑かけてごめんなさい…。』

私の知らない間に、そんな大変なことがあったなんて。

もうすっかり固まった血は取れて綺麗になったこの手も、切れて腫れ上がった唇も、全部私のせいなんだ。

私が払いに行けばこんなことには…

考えれば考えるほど、自責の念は強くなっていく。

わ、やばい。

涙出てきた。

泣きたいのはこの人の方なのに、

私は何をやってるんだろう。

「まあでも、ちゃんと利益出たし問題ない。…そんな気にすんな?」

泣きそうな私を慰めるように、大きな左手が私の頭をぽんぽんと撫でた。

きっと私の涙を止めようとしての行為だと思うけど

逆効果、だった。

音を立てずに零れ落ちた涙が、

男の右手に、落ちた。
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