【短編】さよなら、先生
「せ、先生……!」


「……希(のぞみ)?」


私より頭ひとつ背が高い先生が、目を見開いて私を見下ろしている。
先生はあの頃と変わってない。あ、目尻のシワが深くなったかも。


それよりも先生は、私を名前で呼んでくれた。
あの頃は、何度お願いしても呼んでくれなかったのに。


「お帰りなさい」


「お、おお」


先生は、左遷されていた。私のせいで……

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