鬱(うつ)病という名の長きトンネル
「明日はしん太の授業参観があるわ。
行きたくないな」

洋子は大きなため息をついた。

「おいおい、行ってあげろよ。
しん太だって楽しみにしてるだろう?」

「最近、大勢の人がいる場所に行くと、動悸が激しくなるの。

この前の役員会の時も、突然心臓がバクバクしてきて
汗が凄い出てきて、ずっと吐きそうだった」


「・・・つらいなら明日は俺が行こうか?」

「だって平日よ。仕事でしょう?」

「いいよ。2、3時間だろう?
たまには俺が行ってみるよ。
今まで子供らのことは全部お前に押し付けてきたんだ。
罪滅ぼしさ」

「そう・・・じゃあ、お願いね」


「うつ病」というものがどんな病気なのか分からないが、少なくとも今の洋子の落ち込みを見れば、つかの間だけどゆっくりと休んでほしいと思った。

< 11 / 11 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

鬱(うつ)は必ず治るのだから

総文字数/3,570

その他8ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
鬱(うつ)病 とても苦しい病だ。 もちろん本人が一番辛いのだが、周囲の人間も同じだけの苦悩を共にすることになる。 親、兄弟、夫、子供・・・。 ただ、これだけは言える。 嵐はやがて去るということを。 雲間の向こうには再び必ず陽が差すということを。 どんなに苦しく、つらくくとも、日々をやり過ごして欲しい。 うつ病は必ず治るのだから。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop