人貸し屋 外伝



肩が濡れていく

夜の涙が私ににじむ



「・・・俺は、最後まで零の隣に

 ずっと、いたいんだ」



「・・・あなたは、何のために

 人間になることを望んだのです?

 私の隣にいる必要などありません」



夜の肩を押す

いつまでも、ココにいてはいけない



この場所に慣れては・・・



「お前のためだ。

 零と話すために人間になった

 それでも一緒にいてはダメか?」



つぅ、と涙が流れる

昼や夜といる間に

人間の情が映ってしまったのか・・・



皮肉なものですね

私が利用していたものに

最後の意思を止められるなんて・・・



「・・・そんなの、決まっています」



私は小さく、夜に微笑んだ―。



~最終章 完~



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