今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
『N』という奴が歌う曲…最近になって出てきた奴だ。他の人はどうか知らないけど…愛の言葉ばっかりで…私は嫌いだ。私は…愛なんて嫌い。信じない。…何が愛だ。そんなの言葉だけじゃん。別に何かあって嫌いになった訳じゃないけど、私は他の誰かといて愛なんて感じた事はない。恋愛だってそうだ。男なんて…やりたいから女と付き合うんだ。だったら私はそれを利用する。そんな事を考えてたら…少しムカついていた。私はタバコを灰皿に押し付けていた。

「あと少しで終わるな!」
晶が言った。まもなく僕のバイトが終了する。…彼女はまだ…あの席にいた。灰皿には数本の吸い殻…、彼女の手がまた…タバコに伸びていく。
「あっ!おいっ!」
晶がなぜ僕を呼び止めたのかは分からない。…と言うか、僕自身、自分でも思ってもない行動に出ていたから…。そう、僕はいつの間にか彼女のすぐ近くまできていた。
「やめなよ。」
そう僕は言うと…彼女の手からタバコを奪っていた。『奪っていた』と言うのは…そこにいる僕自身が…僕じゃあないような感じだったからだ。本当に…わけがわからない程の行動だった。
「!?」
タバコを奪った僕を…彼女は驚いた様なそんな感じで僕を見ていたが…すぐに彼女は冷静さを取り戻したみたいだ。今度は僕を睨みつけていた。
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