青空に月
水たまり
雨の中揺れ、

傘のように立っている。


綺麗な水たまりなんて
踏めないって知っていた。



だから、困ってるんだ。



この先、どう進めばいい?


空虚さ溢れるこの世界で
ただ瞳を閉じろというのか?


そんなの、できるはず、ない


自分の無力さを知っているからだ


なんで泣いてる?



君が来てくれるって信じてたからだ



・・・馬鹿みたい。



ただ音に怯えて生きてるわけじゃない。



見くびるな。



空は青い。


そのくせ雨が降っている。



そもそも雨が降っているときの天気を、


「雨」と呼ぶのがおかしいのだ



晴れた日の雨はどういうのだ?



それは、人そのもののようで。


泣いているのに、笑顔を見せる
君のように。



そんな君を想っている僕が、



綺麗な水たまりなんか、




踏めるはずなくて。





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