恋のハードル高しッ!?
「話してみろ。一人で溜め込むなよ。」

タクはそう言って私を優しく抱きしめてくれた。

「オレ、リリが辛そうにしてるところ、見ていて辛いんだよ?リリはひとりじゃない。俺ら幼なじみ全員いるんだから」

タクがそう言うと私の頬に涙が流れてくる。

止まらない涙。

私は何度も手で拭った。

けど何度も何度も出てきてしまう。

タクは袖で私の涙を拭ってくれた。

「話してみて?俺も力かすから。」

私は首を縦に振ってユタにやられたこと、言われたことなどを正直に話した。

「・・・そうか、なら俺とずっといる?」

「へ・・・?」

私はその一言で涙が止まった。

「どーゆーこと・・・?」

「だから、ゆたが来た時には俺が対応するから、ずっといるかって。」

タクの言葉は素っ気なかったけど意味はわかった。

“俺がユタからお前を守ってやる”

私はそう感じた。

「バッ・・・馬鹿言うな!ひとりでできるもん!」

「あ、そういや、夏休み恒例のイベント・・・あったよな。あそこに唯花ちゃん?を連れてくるかもよ?」

「・・・お・・・お願いします」

私はユタから遠くに行こうとする。たとえ好きだとしても。

辛いから・・・好きな人の隣にカノジョがいることが何よりも辛かった。

私がユタを好きなのはタクだけに知られている。

だからなんでも相談可能。

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