君に Ⅰ


「ふふふ。あのこも馬鹿よね。」

「本当ね。あんな話信じちゃって。」

「ホント。ふふふふふふふふ。」


さっき、あの加藤舞歌がこの場所に来た。

「でも、大体は本当のことじゃない。」

私は、あの子にこんな話を伝えたのだ。



「あなたもおかしいとは思わない?
いつも一緒にいたまことが急にあなたから離れるなんて。」


「・・・。」


「あなたは、まことに下の子がいるのは知ってるわよね。」


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