気づいてよ…
父さんは驚いた顔でしばらく俺を見つめた。
3秒くらい経ってから、
「さすが奏だな!おめでとう!」
って頭を撫でてくれた。
俺はまるで小さい子どもに戻ったような気持ちになった。
「奏は4日前に高校を卒業したのよ?」
美都が言うと、またまた驚いた顔で俺を見つめた。
「そう…なのか?頑張ったなぁ…」
そう言って、また頭を撫でてくれた。
「父さんの話…聞いてくれるかい?」
とても穏やかな顔で俺たちの顔を見た。
俺たちは黙って頷いた。