気づいてよ…
父さんの病室は変更になっていた。
個室じゃなくて6人部屋。
これは期待しても良い?
美都と一緒にドアの前に立って、前みたいに深呼吸をした。
ドアは俺が開けて、俺が先に入った。
向かって右側の1番窓側のベッド。
父さんは新聞を読んでいた。
「…おぉ!」
顔を上げた父さんは俺たちに気づいて笑顔を見せた。
俺はそれだけで嬉しくなった。
美都と顔を見合わせて笑った。
「父さん…俺…大学受かったよ!」
1番の目的はこの報告。
俺はちゃんと笑顔で言った。