たっぷりのカフェラテをあなたと
『はい、笹島です』

 凛とした声が携帯越しに聞こえ、少し心がホッとする。

「あの、絵里です……こんばんは。今からお時間ってありますか?」

 彼が今仕事中だっただろうかという事を配慮するのすら忘れ、私はとにかくすぐに会いたいと伝えた。
 すると、健吾さんも嬉しそうに私の申し出を受けてくれた。

『……分かった、仕事はあと30分ぐらいで終わるから。荻窪駅の改札で待っててもらっていい?』
「はい、大丈夫です」

 電話を切りながら、私の足は今降りたばかりの荻窪駅に向かって折り返していた。

 浩介を忘れたい。

 もうあの魅力的な瞳に騙されない。

 もうあの甘いセリフに騙されない。

 もう……豊橋行の回数券は……買わない。
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