たっぷりのカフェラテをあなたと
 でも、当然ながら……彼は電話に出ない。

 そして、1分ほどしてポロンと届いたメールには、浩介からの短い言葉が並んでいた。

『ゴメン、超忙しい!また今度ゆっくり会おうな!』
「……」

 その画面を見て、急に言いようのない怒りと悲しみが込み上げてきた。

「……今度っていつよ?どうせまた私が豊橋に行かなくちゃいけないんでしょう?ゆっくりなんて……会えた事ないじゃん!!」

 こんなにも自分の存在価値を見失うのは初めてで、いったいどうしたらいいのか分からない。

 にじむ涙で画面がぼやける。

 新幹線の回数券を買って何回だろう。
 忙しくて東京までは出られないと言う彼の為に、私は仕方なく豊橋に出向くのだけど……3年間で浩介に費やした費用は膨大なものになっている。

 自然に私の指は健吾さんの電話番号を押していた。
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