ねぇ、先生【ＴＡＢＯＯ】

　その一言に、急に心臓が高鳴りだす。
　
「あのとき、自分を抑えるのにどれだけ苦労したと思ってんだよ、全く」
　小さな呟きが耳に飛び込んで、私はもう手が振りほどけなくなる。

「――私、彼氏いますよ？」
　精いっぱいの強がりは、笑い飛ばされた。

「俺、そういうのは気にしないんで」

　何も言い返せなかったのは、私の唇が、先生の唇で塞がれたせい――だった。