はなおの縁ー双葉編ー
「え～、、、、、。」

なんだかすごく気が抜けてしまった。

そうか、おばさんの差し金か。

昨日は意味深にあたし達に言い伝えを聞かせてくれたし、興味津々にあたしたちを見ていたから、余計なおせっかいをしてくれたのね。

「もう～、何だってまたこんなこと。」

とあたしはおばさんに対して独り言を言ったのだけれど、彼は自分に言われたのと勘違いして、

「ごめんごめん。、、、、あれ？気が抜けたって顔してるよ？それじゃあ、だめだろ？これから、試験受けるのに。」

と、茶化した。

｢そんな顔してるかしら？｣

と、頬を手のひらでぐるぐるとしてみた。

「ぷっ、変な顔だな。」

そう言って、彼は笑う。

「いつもここで勉強しているの？」

言いながら、部屋の中を見回す。

「はい、試験の勉強だけはここでしています。どうした訳か、家だと気が散って集中できないんです。一度、散々な試験をしてしまって親に頼んで試験期間だけはこっちで勉強させてもらってるんです。」

「ふ～ん。」

と顎をなでながら、何か考えている様子だ。
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