はなおの縁ー双葉編ー
「何してたの?」

こういう時、何て答えたらいいんだろう、困った。

「あの、、、、。髪の毛に見惚れてしまって、日に透けてきれいだから。」

そう言うと彼は自分の髪を掻き揚げて、

「そうか?」

と髪を覗き込んだ。

「夏葉ちゃんのもきれいだよ。」

そう言って、彼はあたしの髪に手ぐしをする。

「あ、、、、。」胸がキュウウンとしてくる。

男の人にこんなことされたの初めて、、、。

苦しくて目をあげるとそこにはひどくまじめな顔をした彼の目があった。

ほんとにすぐ近くに彼の顔があってあたし達はしばし見詰め合っていた。

一瞬、彼の手ぐしをしている指が強く反応した。

あたしの頭を押す感覚があったけれど、それはホンの一瞬でしかなかった。

彼はすぐ手を離して、ふいっと顔を背けた。

手ぐしをしてくれた手は硬く握り締められていた。

何かを耐えているような、そんなかんじだった。
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