その瞳が、嫌い
「覚えてる?」

「……」

悔しいくらいに覚えてる。

ここは初めてキスした場所で。

「――ちょっ!?」

私に被さる影はあの時と変わらない。

「もっと、思い出して」

でも、

「私、彼氏いるよ?」

そう告白すると彼はクスリと笑った。

「聞いた。俺に似てるやつなんだって?」

「――っ!」

「なら、俺にしとけば?」

少し垂れた目が私を見下ろす。

「目、閉じろって」

その瞳が、大嫌い。


だから、

私は目を閉じた。
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