GORIO-ゴリオ-
見た目と心は別なのだ。
良男だってもしかしたらゴリラみたいな外見を気にしていたのかもしれない。
まるでゴリラみたいな自分にコンプレックスを抱いていたのかもしれない。
幼なじみなのに…
ずっと一緒に居たのに…
そんな事にも気づいてあげられなかったなんて。
こんなんじゃ幼なじみ失格だ。
「ごめんね……ゴリオ」
うなだれながら口にした謝罪の言葉は、
『テメー少しは反省しろや』
速攻で否定された。
『だから俺の名前は良男だって言ってんだろ!』とゴリオが不満を述べている。
だって仕方ないじゃない!
今までずっとゴリオって呼んでたんだから!
物心ついた頃からそう呼び続けてるんだから!
こっちはゴリオってあだ名にすっかり愛着持っちゃってるんですからね。
「ゴリオってあだ名が嫌だったならもっと前に良いなさいよ!」
今頃言わないでよね!
こっちだって急には変えられないのよ。
そう思って恨みがましく睨みつけると、
『まぁ別にそこまで気にしてないけどな』
ゴリオがしれっとゴッツく言い放った。
だったら言うな!
そう思ったけれど、私が今言いたいのはそんな事じゃない。
「私は気にしてるわよ…」
私が本当に言いたくて聞きたい事は…
『何だ、言ってみろ』
それは…
「ゴリオ…彼女居るって本当?」
ゴリオに彼女かいるかどうかという事だ。