GORIO-ゴリオ-

私の質問になかなか答えを返さないまま、ばつの悪そうな顔をするゴリオ。

そんなゴリオに段々と焦れて来た私は、太い眉毛に力を入れてグッと睨みつけてみる。


すると…


『あぁ~あの先輩の事か…、アレはな…付き合ってはいない』


ゴリオがなんとも情けない顔で、煮え切らない返事をした。


は…?
付き合ってはいない?

付き合っていないにしてはゴリオの態度が煮え切らなさ過ぎる。


そんな煮え切らない態度を取ると言う事は…

付き合ってはいないけれど何かはあるという事なのだろうか?


もしかしてこれから付き合いますとか?

交際前提のお友達から始めましょう段階になっているとかなのだろうか。


どちらにしてもコレはまずい。

このままではゴリオに置いて行かれてしまうではないか…

私をゴリコにしたくせに!


居ても立ってもいられない私はすぐさま確認した。


「つ、付き合ってはいないってどういう意味?」


どうかこれからお付き合いする予定ですとか、もう付き合う寸前ですとかじゃありませんように!


ゴリオの返事を待つ間、私は心の中で必死に祈り続けた。

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