GORIO-ゴリオ-
だから…どうかお願い--
この不安定な幼なじみという関係から私を救って。
ぐずぐずとみっともなく泣きじゃくりながら必死にそう願った。
本当に伝えたい言葉は声にならず、嗚咽ばかりを繰り返す私の唇は何て役立たずなのだろう。
いつまでも本当の気持ちを伝える勇気の無い私は、こんな時でさえ情けなくただ泣きじゃくるしかできない。
いつまでたっても泣き止まないそんな私を見兼ねたように、ゴリオがふいに私を力強い腕で引き寄せた。
ゴリオの大きな胸に抱き寄せられて、涙もかまわず逞しい胸に頬を押し付ける。
ゴリオの大きな胸に抱き込まれて、私はこれ以上ない程の安堵を感じていた。
やっぱりゴリオの胸は安心する。
こんなに温かで優しい胸を他には知らない。
誰より何より欲しいのは、やっぱりゴリオの胸だけだ。
ポンポンとあやすように頭を撫でながら、じっと私が落ち着くのを待っていてくれる。
そんなゴリオの優しさにまた涙が溢れた。
ゴリオの大きくて温かな胸は、嬉しくて切なくて恋しくて、もうとても嘘なんてついていられなかった。
「グスッ…、ごめっなさ…い」
ゴリオの優しさに強ばった心がみるみるうちに溶けていく。
ぐずぐずと鼻を啜るみっともない姿もかまわずに、今こそはとありったけの勇気をかき集める。
今言わなければ一生言えないままかもしれない。
ゴリオの優しさを勇気に変えて、今度こそ本当の告白を…
「ゴリオ、大好き!」
そしてみっともなく泣きべそをかきながら必死に紡いだ言葉は、
ゴリオの温かな胸にゆっくりと吸い込まれて行った。