GORIO-ゴリオ-
ずっとずっとこの大きくて深い胸に抱かれていたい。
そう願いながらゴリオの厚い胸に頬を寄せてしばらくトクトクと鳴る心臓の音を聞いていた。
するとそれまで規則的だった心臓の音がふいに早くなった。
どうしたのだろうと顔を見上げようとすると、ギュッと顔を胸に押しつけられる。
ドクンドクンとどんどん早くなって行く心音をじっと聞いていると、ゴリオが意を決したように大きく息を吸い込んで言った。
『ありがとうな、俺も美紀が好きだよ。』
ありがとうだなんて…
あんな情けない告白をした私が貰って良い言葉じゃないのに。
ありがとうなんて…
私の方が何百倍もゴリオに返したい言葉なのに。
こんな時までバカみたいに優しいなんて、
ゴリオって男は…
なんて愛しくて、恋しくて、離れがたい男なのだろう。
ずっとずっと側にいたいと私の心が叫んでいる。
泣き出したい程にゴリオの側を望んでいる。
こんな私でも受け入れてくれると言うのなら、許してくれると言うのなら、ずっとずっとゴリオの側にいたい。
これまでもこれからもずっと。