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「まあ、もう遊んでられないってことだよな。
俺、最近女の子を誘わなくなったんだよ?」
「呆れた。まだそんなことしてたの?
それが当たり前だし…」
お姉ちゃんも、全く苦労する人だ。
なんだか同情してしまった。
「相手が千絵ならよかったんだけどな」
昔なら舞い上がっただろうこんな言葉にも、今じゃどんな感情を持つことができない。
あたしの心の中に、なんだか冷たい気持ちが生まれた。
「はいはい。
春樹に似合わず早く結婚したのが間違いだったのよ。
未だに何で春樹がお姉ちゃんみたいな人を選んだのかわかんないんだけど…」
そう言うと彼は、困ったようにほほえんだ。