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目の前のお皿のケーキを片付けて、彼が口を開いた。


「けど不思議だよね。千絵さんと半年以上暮らしてるけど、あんな出会いのきっかけでもこんなに深く付き合えるなんて」


「たしかにね。けど、あたしはあんなきっかけじゃなきゃ勝也くんと知り合えないし、こんな風に心を開かなかったと思う。
本当に奇跡的」


「聖なる夜にぴったりなロマンチックな話題だったね」


勝也くんが調子よく総括したところで時計を見ると、日付は変わってクリスマスになっていた。


「いい時間だし今日はこのまま寝ちゃう?」


「そうしよっか。お皿だけ洗うから、千絵さん先に着替えたりしてて」


「気にしなくていいのに」


「素敵な夜だったのに、明日の朝散らかったテーブルを見たら白けちゃうでしょ?
素敵なデートは終わりが肝心て、先輩にも教えてもらったんだ」


かっこいい台詞が出てきたと思ったらいきなり子供らしさを取り戻して、拍子抜けしてしまう。
時々思うけど、この無邪気さは彼の計算なんだろうか。
いずれにせよそれに癒されてる自分がいるのは間違いないから、深く探り入れずに彼の言葉に甘えることにした。


「ありがとう。じゃあ着替えて寝室で待ってるね」


彼のお行儀のいい返事を聞いて、洗面所へ向かった。

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