Sales Contract



あたしたちの関係はというと、クリスマス以来ダイレクトなアプローチをするわけでもされるわけでもなかったけど、穏やかに進んでいた。

年越しやバレンタインといったイベントごととは無縁なタイプのあたしでも、一緒にいる人がいるだけでこんなに楽しいものなのかと思わせてくれる勝也くんに感謝している。

勝也くんはタイミングが来たら改めてちゃんと意思を伝えさせてと言ってたけど、あたしなりに色々と考えることがあった。

自分の気持ちに素直になったら、彼の言葉を待つのではなくて自分からちゃんと思いのままを伝えたいなという気持ちが強くなっていた。

だから願掛けじゃないけど、もし合格したらその時がタイミングかななんて安直なことを心に決めていたので、今日という日はあたしにとってもとても大事な日なのだ。

< 287 / 310 >

この作品をシェア

pagetop