17-甘い君たち-

「しょうがねーから許してやるよ」

「でも正直めちゃくちゃ辛かったんだからな」


南緒はその時、1週間ぶりの笑顔を俺らに向けた。太陽みたいな、笑顔を。


「……俺しか見れないようにしてやるから」


なんだよ、翔太。
自分だけカッコつけやがって。うぜえよ。

南緒が、もうやめてよ、ってまた顔を赤くして。……翔太にそんな顔向んなよ。


「俺らが……俺が、お前のこと誰よりも想ってるってこと、忘れんなよ」


俺だって、いつまでも翔太に負けてなんていられねーよ。

ヒーローになるのはいつだって翔太じゃねえんだ。おれが、南緒を、幸せにする。おれが南緒を、笑顔にしたいんだ。

南緒は、顔を赤くしながらクッションに顔をうずめた。


……チクショウ。可愛すぎんだよ、ばーか。


でも、なんにせよ。


俺らはとりあえずのこと、幼馴染に戻った。お互いの気持ちを知っている、ちょっと変わった幼馴染に。


もう、あの約束もない。
南緒に、想いも伝えた。

触れていいんだ、南緒に。
伝えていいんだ、この想いを。

全ての答えが出る南緒の誕生日まであと2週間。



______さぁ、どっちを選ぶ?南緒。



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