17-甘い君たち-


ふと見上げた尋の横顔に、自然と顔がゆるんでいく。


「私も、そう思う」


だってそれは、私と同じ、君がくれた答えだったから。


「お前、大人になった翔太見ても浮気すんじゃねーぞ?」

「なに、バカなこと言ってんの」


ふふふって笑みがこぼれる。それを見て、尋も笑う。


「尋の笑顔って、太陽みたいだなあってずっと思ってたんだ」


そんなことを言ったら、尋は目を丸くして私を見て、それからまた笑った。


「ナニソレ、やばい。
俺もずっと小さい頃から、南緒の笑顔が太陽みたいだって思ってた」

「うそ?」

「ほんと。そんでもって翔太は____」


ああ、多分。その先の言葉は私と同じなんだろう。


「「向日葵」」


2人の声が重なった。顔を見合わせて笑いあう。やっぱり私たちには、3人笑顔がきっと似合う。


____ガチャリと開かれた玄関扉。


尋がいて、私がいて、翔太がいた、かけがえのない青春の日々。忘れられない宝物たち。


「久しぶり」


「「久しぶり!」」



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