17-甘い君たち-
毎日、いつもと同じように決まった位置で決まったようにこの道を歩くんだ。


私を真ん中に、右側に翔太。左側に尋。


これがいつもの立ち位置。私の居場所。

小学校も中学校も、そして今、高校生になっても。この位置で、二人と一緒に過ごしてきた。

こんなに毎日噂されるほどのことなのか不思議でたまらないけれど……それだけ2人が目立つ存在ってことなんだろう。


毎朝一緒に登校して、学校終わりは一緒に帰る。

それは、今も昔も変わらない、私たちのちょっとした決まりのようなものなんだ。


「あ、そういえばね……昨日、新しいリップ買ったんだ! ピンクで可愛いんだー」

「はあ? 南緒はそんなものしなくても充分可愛いだろーがよ」


尋がサラリとそんな事を言ってのける。チョットだけドキっとしたけど、こんなのはいつものことだ。

二人はカッコいいだけあって、女の子(というか、私?)の扱いがとっても上手い。


「ていうか、南緒、そんなんで男の気でも引くつもり? ダメだね、絶対」


翔太は、そう言いながら顔をしかめる。

そんなつもりで言ったんじゃないのに!なんでそんなに過保護なのかなあ。誕生日は私が一番遅いけど、私たちは同い年だっていうのに。


二人は多分、私のお父さんよりもこういうことに厳しい。私だって、高校2年生の女の子なんだからね。そこのところ、チョットわかってないみたい。
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