17-甘い君たち-


それでも、俺らが幼馴染なことには変わりはなかった。俺らが南緒のことが好きだってことも、変わらなかった。


毎日のように3人で遊んでいた俺たち。


家族ぐるみで仲の良い俺たちは、3人まとめて誰かの家に泊まらせられることだって何度かあった。

まあ、小学生なりにドキドキはしていたけど、幼かった俺らには、3人でいるっていう楽しさが一番だったんだ。


だから、多分子供だった俺らは満足してた。


『南緒の一番近くにいるのは俺ら』だと。3人一緒に、毎日仲良く過ごせることが本当に楽しくて。その生活に、俺も翔太も満足してた。世界は俺たち3人だけだと思うくらいに。



だけど、事件は起きる。



それは、小学四年生の夏ごろの出来事。

その日、俺らはいつもどおり3人で学校に向かった。

変わりない日々。となりで笑う南緒。あの時から、南緒の笑顔は本当に可愛かった。

クラスの男子内で可愛い女子ランキングを決めた時、俺と翔太以外南緒を選んだ奴はいなかったけど、俺らにとっては南緒の笑顔が世界一可愛かったんだ。

だからなのかもしれないな。
俺らは心のどっかで安心してて、心のどっかで、南緒は俺たちだけのものだと思ってたんだ。


でも。本当に突然。ある日突然。


そんな南緒のことを好きだという奴がいるという話が、俺らの耳に飛び込んできた。


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