【短編】ショートメッセージ
『やっぱり沙羅とメールしてると、いろんなことを言えて、本当にリラックスできるな~』

彼は私を沙羅と呼ぶ。年上だからといっても、敬語は使わない。しかし、それが結構心地よかった。

ただの"人"と"人"との繋がり。

この対等な関係が、あまりにも不思議で、でもとてもドキドキさせられる。

あの終わった日が、まるで遠い日のように思えてしまうほどだった。

『でも、そんなに私とばかりメールしてていいの?』

いくら対等だとしても、彼は学生だ。親心から、つい余計なことを心配してしまう。しかし、彼から受け取るメールの文面からは、そんな心配は不要であった。

実際、相手の目を見てメールをしているわけではないから、どんな風に思っているかは解らない。でも、それはメールをしている段階で、リスクを背負っていることを了解しているはずだ。少なくとも、私はそう思っている。

だからと言って、無責任なメールを送ることはない。むしろ、逆だろう。感情を持たない文字で、相手を傷つけてはいけないのだ。文字は、読み手によって感情が左右するから。



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