甘い毒【TABOO】
 楽しいライブの後、打ち上げ会場に移動し、段取り通り地元スタッフの一人として、打ち上げに参加させてもらった。
 最初は大人数で盛り上がっていた打ち上げも、徐々に小さなグループが出来ていく。


 もともと部外者の私はこの辺でそっと帰るのが妥当かな、と、静かにその場を出ようとしたとき、ぐいと手首を掴まれた。



「ねぇ、君、本当にスタッフだった?
 客席の一番前に居てくれた気がするんだけど、俺の記憶違いかな」

 耳元に聞こえる声は、間違いなくヨシトの声だ。
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