河の流れは絶えず~和泉編~
湯飲みにお茶を注いでくれ、俺の前に置くと、自分は早速美味そうにすすり始めた。

「おいし、、、。」

そう言った彼女の顔はしごく幸せそうな顔をしている。

お茶だけでこうも幸せそうになれる人もいないんじゃないか。

「そんなに、うまい?」

熱々のお茶をすすってみたが、いつもと変わらぬ味だと思う。

すると、少し微笑んだ彼女は、

「実はまだ中食(ちゅうじき)をとっていなくて、おなかぺこぺこなんです。なのでお茶でもおいしく感じて。」
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